こたに内科・甲状腺クリニック

院長のブログ

お薬が多過ぎませんか?

2023年4月16日

最近、診療を行っていて気になることがあり、その内容について医師としての考えを述べてみたいと思います。

 

今回の内容は『ポリファーマシー』です。

 

聞いたことありますか?

 

英語の『poly(多数)』+『Pharmacy(薬剤)』のことで、多くの薬という意味です。

 

実際には多くの薬を服用し副作用などの患者さんに生じる好ましくない症状・病気を起こすことです。

 

単純にお薬が多いことが悪いわけではありませんので、この点は誤解しないでお読みください。

 

年齢とともに複数の疾患を患うケースが増えてきていますので、必然的に薬の種類が増えてしまいます。

厚労省の資料によると75歳以上ではなんと保険薬局を訪れた4人に1人が7種類以上の薬剤を処方されていることになっています。

また、医師側の問題として薬による副作用を抑えるために新たな薬を処方し、その繰り返しで慢性的(※1)に薬の種類が増えていってしまう『処方カスケード』の問題もあります。

 (※1) 短期的に副作用を抑えるための治療薬は問題ありません、副作用が改善しているにも関わらず、漫然と処方を続けてしまう医師に問題があります

 

現在の医療では専門性が高くなっていることから複数の病院に通院する頻度が高くなっています。その時にお薬手帳をきちんと持参し管理されていれば良いのですが、そうでないと重複したお薬が処方されたり、相互作用のあるお薬が出されたりします。

 

そういったことが重なり、薬の副作用や飲み合わせの相互作用で、患者さんに重大な健康被害が起こる可能性があります。

また、薬の数が多すぎて飲み忘れや飲み間違いを起こすこともあり、治療中の病気の悪化にもつながることがあります。

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

医療側の問題、患者さんの問題があると思います。

それぞれの問題点、予防や対策を考えてみたいと思います。

 

医療側の問題点

  • 内服薬の多さに対する医師の関心の低さ、処方を見直す医師の努力不足
  • 症状が落ち着いたにも関わらず漫然と薬を処方し続けてしまう
  • 患者さんの言うがままに、診察もせずに次々と薬を出してしまう
  • 特に生活習慣病では治療薬も大事ですが、それ以上に生活改善も大事、しかし説明するのが大変ですぐに薬を出してしまう

対策

  • 患者さんの訴えを再確認(『症状は続いているのか?』、『軽減しているのか?』など)
  • 『いちおう処方する』、『心配だから処方する』、という考えをやめる
  • 処方はあくまで必要だからするもの、患者さんの希望も大事であるが、きちんとした診察・きちんとした問診により処方するかどうかを決める

 

患者さん側の問題点

  • 自身の内服薬に対する関心の低さ(おまかせ状態、自分の身は自分で守る意識の欠如、『何のためにこの薬を服用しているのか?』『この薬はずっと飲むのか短期間だけなのか?』など)
  • 薬を出して欲しいという気持ちが非常に強い(『食事・運動療法ばかりで薬をくれないから医者を変えた』、『風邪で抗生物質を出してくれる医者がよい医者だ』など、間違った判断をしている)
  • お薬手帳を持っていない、複数持っていて管理できていない、病院や薬局でお薬手帳を渡さない・忘れる
  • 症状が落ち着いたにも関わらず、医師に体調を伝えていない
  • 気軽に身体について相談できる『かかりつけ医』を持っていない

対策

  • 受診時には必ずお薬手帳を持参し、病院・薬局いずれにも必ず渡す
  • お薬手帳に書いてある、ではなく、薬が変わったり増えたりしたときには通院中の病院に受診したときに口頭でも伝える
  • 体調がよくなった時には病院スタッフに伝え、服薬が必要なくなった時にはその旨を医師に伝える
  • 自分の病気や薬に関して関心を持つ
  • 医師に希望を伝えることは大事だが、処方は希望を踏まえたうえで医師が判断するため希望に沿わないこともある、病院はドラッグストアではないことを理解する

 

 

特に必要のない処方が行われる例として抗生物質があります。

抗生物質とは、細菌を壊したり増えるのを抑える薬剤です。ここで重要なのが『細菌を』というところです。

 

一般に感染症の原因としてはウイルスや細菌、真菌などがあります。

風邪の原因はほとんどがウイルスと言われています。

ですので、風邪に抗生物質はほぼ必要ないということになります。

 

しかし

   患者さんは抗生物質を欲しがる人が異常に多いこと

   また抗生物質を出す医師がきちんと診察してくれた医師と考えること

が多いようです。

 

新型コロナウイルス感染症では、薬がなく大騒ぎしていましたよね?

もしウイルスでも抗生物質で治療するなら、そのようなことはなかったはずです。

インフルエンザではタミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬は処方されますが、抗生物質は処方されませんよね?

ウイルスには抗生物質は意味がないだけでなく、副作用しかありません。

 

抗生物質については後日、ブログに書きたいと思います。

 

 

話が横道に逸れてしまいましたが、ポリファーマシーに関してのまとめです。

 

くれぐれも間違わないでいただきたいのは

『薬が多すぎる』のが問題なのではなく、『余計な薬を服用している』のが問題

であり

『不必要な薬を減らす』ことは大事ですが、『薬を使わなくていい』訳ではありません

 

内服薬についてはきちんと医師とお話しし、本当に必要な薬飲み服用するようにしましょう。

 

桜満開

2023年4月10日

岩手県は例年4月中旬から5月初旬に桜の見ごろを迎えますが、今年は異常に早く咲き始めています。

 

盛岡市内の石割桜も満開を迎えていて、急がないと見逃してしまいそうです。

 

ここ数年はコロナ渦でなかなか人の多いところへの外出は避けていたのですが、今年は久々に

 

「桜を見たい」

 

と思い、昨日の日曜日に北上の展勝地へ出かけてきました。

満開予想だったため、混むとは思っていましたが、予想通り途中で車は動かなくなり・・・

少し離れたところに車を止め、散歩がてら歩いて向かいました。

 

少し気温が低く、とても風が強い日でしたが、桜は満開になったばかりだったため、強風にも飛ばされず、頑張って耐えていました。

歩いている人間の方が飛ぼされそうでしたが。

 

見物客も多く、天気も良かったため、皆さんも十分楽しんでいたようでした。

 

そうはいってもお仕事で忙しく見に行けない方もいると思いますので、写真しかありませんが、少しでも花見気分を味わっていただければと思います。

 

時間のある方は、ウォーキングを兼ねて近所の桜スポットに出かけてみるのもお勧めです。

 

桜つながりで、待合室も少しだけですが、桜を感じていただけるようにしています。

ホワイトデー

2023年3月12日

そろそろホワイトデーですが、バレンタインデーでプレゼントをいただいた男性達は準備できているでしょうか?

 

またプレゼントをした女性たちは期待?不安?で待っているのでしょうか?

 

今年は家族からチョコレートとプレゼントをいただき、また数名の義理チョコをいただきました。

例年、直前になって探して売り切れ続出で慌てるため、今年は早めに用意しました。

コロナ渦でネット通販が充実しているため自宅で完結できるのが嬉しいですね。

 

さて今回のブログは「ホワイトデーに何を用意した!」 ではなく、

家族の紹介です。

 

というのもバレンタインデーで家族からいただいたプレゼントというのが、予想もしなかったものでしたので。

 

そのプレゼントというのがこちら

我が家のアイドル?ココの写真付きパジャマです(笑)

実際に着てみて、愛犬とともに写真も撮ってみました。

 

本人は、パジャマの写真は全く分かっていませんね。

とても驚くプレゼントでしたが非常に嬉しかったです。

 

全く医療に関係ない、プライベートなブログでした。

 

いわて盛岡シティーマラソン

2022年10月24日

昨日は朝から盛岡市内は交通規制が行われていました。
『いわて盛岡シティーマラソン』開催日だったためです。

市民の皆さんにご不便をおかけし、市街地を走れる事に感謝しながら参加してきました。

前日までは曇りのち雨の予報で直前まで参加を迷い、朝すでに雨だったらやめようと決め就寝。朝起きると晴れていて参加を決断しました。
良かったのか悪かったのか…

応援の皆さんにも楽しんでもらおうと思い、予告通りに仮装しスタート会場へ。


練習もできていなかったので後方に並び、ゆっくり走る事を心がけてスタートしました。

沿道の応援の方、特に子供達や若い女性たちは積極的に大きい声で

『くまモーン、がんばれー』

と応援していただき、ものすごいパワーをいただきました。

それでも御所湖の上りからは歩く頻度が少しずつ増え、結果はどうにか制限時間内にはゴールすることが出来ました。

 


来年はしっかりと練習し、もっとちゃんとした仮装をして、自分も応援の方も皆んなで楽しめるマラソン大会にできればな、と思っています。

ちなみに写真をしっかりと見ると分かるのですが、今回は救護シールを貼らせてもらいました。
これは急患が出た時にいち早く対応するボランティアマークです。
幸い自分の周りには該当者がいなくて良かったです。やはり健康第一です。

身体を動かしていますか?・・・スポーツの秋

2022年10月17日

朝晩はだいぶ冷え込んできていますが、体調など崩していないでしょうか?

 

新型コロナウイルス感染症は一時期よりはだいぶ少なくなってきていますが、いまだに下げ止まりの感じが続いています。

岩手県でも下げ止まりの状態が続いており、ここ数日は先週比で増加傾向となっています。

 

新型コロナウイルス感染症以外でも、子供たちの間ではヒトメタニューモウイルス感染症が拡がっており大人にも感染者が出ています。

 

風邪様症状でいまだに診察をしない医療機関もありますが、新型コロナウイルス感染症・ヒトメタニューモウイルス感染症、そして今後に増加が予想されているインフルエンザウイルス感染症と、まだまだ気を抜けない状態が続いています。

 

皆さんも感染対策に気を付けてください。

 

 

さてさて、秋と言えばなんでしょう?

 

食欲の秋? 紅葉の秋? 読書の秋? 行楽の秋?

全国旅行支援も始まり紅葉や観光で外出する方も増えるのでしょうか?

 

でもでも忘れないでいただきたいのが『スポーツの秋』

生活習慣病予防やダイエット、気分転換には、適度の運動がお勧めです。

汗をかかなくても、自宅で軽く体を動かすのも良いですよ。

冬になり身体が縮こまると肩こりや首の凝りもみられるようになりますので。

 

 

日中はちょうどよい気温になっていますので、紅葉や秋の気配を感じながらのウォーキング、家から出たくないのであればストレッチもお勧めです。

 

少しでも良いの身体を動かしてみることをお勧めします。

 

 

さてさて、こんなことを書いてますが、「あなたは運動していますか?」なんて突っ込まれそうです・・・

 

7月から9月初旬にかけては新型コロナウイルス患者の激増で休みの日は皆無、連日早朝から深夜まで仕事をしていたため全く運動できていませんでしたが、

最近になってやっと身体を動かし始めました。

 

9月下旬から趣味のジョギングを始め、約1か月で10km~28kmの走り込みを8回ほど続けています。

 

それは

 

第2回いわて盛岡シティーマラソン

 

参加のためです。

練習不足で本番までどうにか帳尻を合わせた状態ですので、制限時間いっぱいかけて楽しんで走ってみたいと思います。

 

第1回目はパンダの仮装をして走りましたが、今回は

くまモン

の仮装を予定しています。

 

もし見かけましたら『くまモ~ン』と声をかけていただけると嬉しいです。

政府の方々、よろしくお願いします

2022年9月8日

前回に引き続き、COVID-19についての私見です。

 

昨日、自宅療養期間の変更ついて発表がありました。

いきなりの発表で、しかも当日付けでの施行です。

我々医療機関にも全く連絡はなく、私も知ったのは

 

昨日のニュース番組

 

です(笑)

 

慌てて夜中に厚労省のホームページで確認し内容を把握しましたが、確かに変更・施行されておりました。

地方自治体のホームページでは、やはり更新が間に合っておらず、以前のままになっていますのでご注意ください。

 

 

ただ、今回のやり方は賛成できません。

それは療養期間を短くするとかしないとかではなく、決定と連絡のプロセスです。

 

自宅療養期間の変更は現在の陽性者にどのように通知するのでしょうか?

いま療養中の方は、常にネットやテレビで確認しない方だと知らない人もいるはずです。高齢者など、部屋に閉じこもりになっている人はテレビ等も見ない可能性があります。

きっと混乱する方が多くなると思いますが、どこに相談するでしょうか?

おそらく保健所や検査をした医療機関になるんじゃないでしょうか?

 

また、我々医療関係者も、皆さんと同じマスコミを通したルートでしか情報が入ってこないのはどうなんでしょう?

今日も患者さんへの連絡を行いましたが、「療養期間はどうなるんですか?」と聞かれました。

昨日の発表で驚いたため、私は朝に保健所に連絡を取って状況を把握できましたので患者さんにお答えできましたが、もし気が付かなかったらどうなっていたでしょうか?

おそらく前の基準で話していたと思いますので、間違った情報を伝えていた可能性が高いです。冷や汗が出そうですが、医療機関にも事前に直接連絡がないので、ある意味仕方がないのかもしれませんが・・・

 

「医療機関なんだから情報をしっかり確認しろ!」という意見もあるかと思いますが、コロナ対応で現在は休日もなく、仕事も夜遅くまで続くため、実際のところニュースを目にする機会も少ない状態です。昨日はたまたまニュースをみて知ることができましたが・・・

 

COVID-19も新たなフェーズに入り、今までとは違った基準、方針になるのは当然だと思いますが、今の政府のやり方は国民の不満やマスコミが取り上げたことのみ慌てて修正し、どこに向かっているのか医療関係者を含めた国民には全く伝わってきません。

 

とりあえず、説明しなければならない医療関係者が患者さんと同じルートでしか情報が入らない状態をどうにかしていただきたいです。

ゆっくりやれ、とは言いませんが、きちんとスムーズな流れを作って、それに沿って変更していただきたいと思います。

 

ほんと、岸田内閣、よろしくお願いしますよ。

 

今日も朝から、各所に連絡を取ったりして、余計な仕事が増えてしまっています。電話で話した保健所の方もてんてこ舞いで、連絡が遅くなっていることを謝罪されましたが、我々同様保健所も本当に困っています。

 

保健所・医療機関の逼迫を改善するためといい、次々と目先のちょっとしたことを変えていますが、やっと慣れたら次の変更、また次の変更と、違った意味で医療機関は混乱中です。

 

とりあえずミスなく、患者さんにも間違った情報が伝わらないように、できるだけ情報に耳を傾けていこうと思っています。

現在のCOVID-19についての私見

2022年8月30日

全国的に感染者が増加しておりましたが、最近になり数字上は減少傾向になっておりますが、はたしてそうなのでしょうか?

 

今現在起きている状態について私見を述べてみたいと思います。

あくまで私見ですので、これが真実かどうかは分かりません。参考程度に受け止めてもらえればと思います。

 

 

◎岩手県では本当に感染者が減っている?

先週の前半までは岩手県でも感染者数が増えていましたが、その後は減少傾向になっています。当クリニックでも陽性者数は明らかに減ってきています。

 

ただしこれは陽性率が下がっているわけではなく、診察に来る患者数が異常なほど急激に減少しているためであると思います。

毎日30-40人受診していた発熱や風邪様症状の患者さんが、ここ数日は10名前後、少ない日は一桁になっています。

 

どうして急激に減ったのか?と思ったのですが、これはある出来事を境に起きていることに気づきました。

 

「全数把握の見直し」の発表です。

 

岸田首相が発表した翌日から、パタッと検査に来る人が減っていますが、おそらく勘違いされている方が多いのではないかと思います。

 

重症者や高リスク者のみ届出をするというのは、高リスク者以外は検査をしないという事ではありません。

症状の強弱や、高リスクかどうかは関係なく感染が疑われる患者さんは検査し、今まで通り治療を行いますが、我々医療機関が保健所に届け出る作業(HER-SYS)が簡素化させるという事です。ですので、皆さんは特に変わることはないのですが、一部の方は「受診してはいけないと思っているのかもしれません。または「もう検査して陽性を確認する必要はなくなった」と勘違いしているのかもしれません。

 

ご存じのように、自宅療養で回復する方がほとんどだというのは事実です。ただしもっとも警戒するのは高齢者や基礎疾患のある方が重症化したり、中等症で療養していた方があっという間に状態が悪化し亡くなることだと思います。

 

我々、検査を請け負っている診療所レベルの医療機関では、患者が少なくなれば負担は軽くなるのですが、もし気がつかない間に感染者が爆発的に増加していた場合に、高リスク者たちが感染する機会は爆発的に増え、不幸な結果になる方が増えることが予想されます。入院や重症者を受け入れる医療機関はすぐに医療崩壊に陥るでしょう。

 

我々医療機関は以前と何も変わらず診療しておりますので、自分たちで自己判断せず、診察してほしい、検査をしてほしい、と思った方は遠慮しないで問い合わせてください。

 

 

◎政府の考えていることが、よく分かりません

「全数把握」に対して誤解しているのではないか?と書きましたが、どうして政府は国民に向けてこの発言をしたのか分かりません。

医療機関の負担を減らすことを考えるのなら我々医療機関に伝えれば良いはずで、大々的に発表する必要はなかったのではないかと感じます。その結果、誤解が生じている可能性もあります。

一度、HER-SYSの入力項目が少し減ったことがありましたが、その時は全く発表されなかったのに、今回はなぜ?って感じです。

政府?首相?の仕事をしていますアピールでしょうか?

何となく責任を国民に投げて自己判断させて、何となく収束させようとしているのでしょうか?

 

保健所や医療機関の負担軽減と言いますが、見えないところで感染者が増えれば、感染予防のために積極的に検査をしている医療機関や介護施設などのスタッフが陽性者となったり濃厚接触者となる確率は今とは比較にならないくらい増加するでしょう。そうなればスタッフ数が減り病床使用率が低くても運用できない状況が生まれます。

 

医療機関等では他の職場と異なりかなり厳しい制限を課し生活している方が多いと思います。それでも感染者が増えれば自宅待機になる確率は増し、医療崩壊の方へ向かってしまうでしょう。

 

「全数把握」を止め、本当の意味での「withコロナ」にするのであれば、自宅待機の制限や、濃厚接触者の考え方など、併せて考えないとさらに混乱する状況になるのではないかと感じています。

 

「全数把握の見直し」のような小手先の変更ではなく、根本的な感染症対策の変更を考えて欲しいと真に願っています。

未知のことなので正解はありません。ご機嫌取りではなく自分の信念を貫いてリーダーシップを発揮してください。

進むべき方向が間違っていても素直に認めて方向転換すれば私たちはついていきます。

 

支持率ばかり考えないで、本当に患者さんや我々医療関係者である国民のことを第一に考えて下さい。

 

 

◎ただの風邪、鼻かぜ程度と思っている方へ

風邪というのはウイルス性の上気道感染症ですので、ある意味、新型コロナウイルスも風邪の範疇に入ると思います。誇張する気はありませんが、どのような疾患でも甘く見ていると重症化したり亡くなることもありますので注意は必要です。

COVID-19では、厚労省からガイドラインが出ていますが、その中で軽症と言われているものを挙げてみます。

 

☑ 呼吸器症状なし or 咳のみで呼吸困難なし

☑ 肺炎所見を認めない

☑ 酸素飽和度が96%以上

 

となっています。

これは、以前の株では呼吸不全で亡くなることが多かったため、呼吸器症状を中心に分類されています。

 

ですので、「喉が痛すぎて飲食するのも嫌だ、どうにかしてくれ」であるとか、「咳が全く止まらない、夜も咳き込んで寝られない」「熱が下がらなくて心配・・・」といった電話問い合わせが連日きますが、いずれも軽症となります。

呼吸困難がなければ、これらは軽症の範疇に入ってしまいますので、そう伝えると、「全然軽症じゃない・・・」と驚かれます。

 

罹らないことに越したことはないです。感染を広げないために、また苦しい思いをしないように、初めから言われ続けている最低限の感染対策を守る努力を宜しくお願いします。

開院1周年を迎えました

2022年7月19日

本日、開院してちょうど1年になります。

 

たくさんの患者さんに来ていただき、無事にこの日を迎えることができました。

本当にありがとうございました。

 

これからも初心を忘れず、患者さんに寄り添った医療を続けていけるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

ちょっとしたことでも身体に関する不安がある方はお気軽にお越しください。

 

新型コロナウイルス感染症も増加してきています。
症状で心配な方は発熱外来も行っておりますので、電話で確認の上、診察にお越しください。

甲状腺学会認定専門医証が届きました

2022年7月2日

以前にもこのブログで報告しましたが、甲状腺学会認定専門医証が学会より送付されてきました。

特に専門医になったからといって今までと異なった診察をしたり、異なった判断をする訳ではありません。

ですので、「今までの診療は大丈夫だったの?」と心配する必要ももちろんありません。

(基本的な私の考えは以前のブログを参考にしてくださいhttp://kotani-cl.com/2022/01/)

 

専門医を取得したり更新するには、定期的な専門医教育を受講しなければならず、

毎年学会には参加しなければなりませんので、1年に1回、秋に開催される甲状腺学会前後は休診にせざるを得ません。

 

皆さまにはご迷惑をおかけしますが、皆さまにより良い医療を提供するためにしっかりと学んでまいりますのでご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

ちなみに今年の学会は11月初旬に予定されています。

詳しい日程が出ましたら、検討し休診日を院内掲示とホームページのお知らせでお伝えいたしますので、ご確認をよろしくお願いいたします。

 

 

少し時間が空きましたが、またまた塗り絵が完成しました。

今度は風景画にしてみましたがどうでしょうか?

また院内のどこかに掲示しておきますので、探してみてください。

 

 

今年は全国的に6月から暑い日が続いています。

体調を崩さないように、また熱中症には気を付けてお過ごしください。

 

健診の時期になりました

2022年4月8日

気温もだんだん高くなってきて、すっかり春の陽気になってきています。

コロナ渦もあり家に閉じこもっていた影響もあり、生活習慣病といわれている高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの予備軍が増えているような気がします。

 

内科外来をやっていて感じるのは、

『健診で指摘されていたけど、症状もないし特に病院には行かなかった』

『どこも痛くないし、治療の必要なんていらないんじゃない?』

という考えをもっている人が意外に多いことです。

 

なぜ健診が必要なんでしょうか? 改善しないとどうなるんでしょう?

このあたりのことを今回は書いてみたいと思います。

 

① どうして健診が必要なの?

高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、軽度の場合は特に症状を感じることはありませんので、その時点で生活に不自由をきたすことはありません。

しかし、この状態が続くと動脈硬化などを引き起こしてしまいます。

 

【高血圧症】 高血圧が続くと血管が硬く、もろくなる動脈硬化が起こります。その結果、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高まります。

【脂質異常症】 LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えると、やはり血管が傷つき動脈硬化を起こします。また中性脂肪が高くなると急性膵炎や脂肪肝を起こしやすくなります。

【糖尿病】 糖尿病も初期には症状がなく進行していきます。糖尿病で怖いのは合併症です。目や腎臓、神経に障害が起こり失明や人工透析、足に壊疽(足が腐ってしまうこと)ができて切断となることもあります。もちろん動脈硬化の原因にもなります。

 

そのため、様々な病気が発症するのを予防したり、病気が進行するのを防いだりして生活の質(Quality of Life)を落とさないようにする必要があります。

 

未然に対処するために健診を受けて

早期発見・早期治療が必要になります

 

 

②  生活習慣病から起こる病気は放置するとどうなるの?

上で挙げた病気について説明してみたいと思います。

 

  • 脳出血:脳の動脈が破れて脳の中に出血し、その血の塊が脳の細胞を圧迫するため頭痛や手足の麻痺、言語障害や意識障害などを起こします。
  • 脳梗塞:脳の血管が詰まるため血液が閉ざされ脳に酸素や栄養が行き渡らなくなり、その結果脳の細胞が死んでしまいます。手足や顔のしびれ、動かしにくさ、歩きにくくなったり喋りがおかしくなったりします。治療が遅れると麻痺や言語障害が残ってしまいます。
  • 心筋梗塞:心臓に酸素と栄養を送る冠動脈が閉塞し、心臓の筋肉が死んでしまう病気です。胸の痛みや呼吸困難、意識障害を起こしたり、治療が遅ければ死亡することもあります。
  • 急性膵炎:膵臓に炎症が起こり膵臓の中にある消化酵素によって膵臓自体が自分で自分を消化してしまうことにより起こる病気で、上腹部痛や吐き気、嘔吐などを認めます。重症例では命に危険が及ぶことがあります。アルコールが原因になることが多いですが、中性脂肪が高い人はリスクが高くなります。
  • 脂肪肝:肝臓に脂肪がたまった状態で放置すると肝炎へ進行してしまいます。メタボリックシンドロームに合併しやすく、過食と多量飲酒が原因となることが多いです。肝硬変や肝癌につながる場合もあり注意が必要です。
  • 糖尿病網膜症:糖尿病が原因で起こる網膜の障害です。網膜は光の情報を脳に送る重要な臓器ですので、ここが障害されると最悪の場合、失明してしまいます。
  • 糖尿病腎症:糖尿病が原因で起こる腎臓の障害です。腎臓の機能が悪化すると人工透析が必要となります。透析患者の原因で一番多いのが糖尿病腎症です。
  • 糖尿病神経症:血糖が高いことにより神経細胞が傷ついたり動脈硬化によって神経細胞に血液がいかなくなり神経が障害される病気です。下肢の切断が必要になることもあります。

 

実際に書いてみるとやはり怖いです。もちろん後遺症で生活にも不自由になり、家族にも迷惑をかけることもあると思われます。

特に脳の病気、心臓の病気、急性膵炎などは命にかかわることもあります。

 

自分のため、面倒を見てもらう可能性のある家族のため、病気を未然に防ぎ、また進行を止めるためにも積極的に健診を受けましょう

 

 

新しい絵が完成しました。

今までで一番よく描けていますので待合室に飾る予定です。

近くから見ると残念な感じになってしまいますので、遠くからちらっとみてくださいね。

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