こたに内科・甲状腺クリニック

院長のブログ

政府の方々、よろしくお願いします

2022年9月8日

前回に引き続き、COVID-19についての私見です。

 

昨日、自宅療養期間の変更ついて発表がありました。

いきなりの発表で、しかも当日付けでの施行です。

我々医療機関にも全く連絡はなく、私も知ったのは

 

昨日のニュース番組

 

です(笑)

 

慌てて夜中に厚労省のホームページで確認し内容を把握しましたが、確かに変更・施行されておりました。

地方自治体のホームページでは、やはり更新が間に合っておらず、以前のままになっていますのでご注意ください。

 

 

ただ、今回のやり方は賛成できません。

それは療養期間を短くするとかしないとかではなく、決定と連絡のプロセスです。

 

自宅療養期間の変更は現在の陽性者にどのように通知するのでしょうか?

いま療養中の方は、常にネットやテレビで確認しない方だと知らない人もいるはずです。高齢者など、部屋に閉じこもりになっている人はテレビ等も見ない可能性があります。

きっと混乱する方が多くなると思いますが、どこに相談するでしょうか?

おそらく保健所や検査をした医療機関になるんじゃないでしょうか?

 

また、我々医療関係者も、皆さんと同じマスコミを通したルートでしか情報が入ってこないのはどうなんでしょう?

今日も患者さんへの連絡を行いましたが、「療養期間はどうなるんですか?」と聞かれました。

昨日の発表で驚いたため、私は朝に保健所に連絡を取って状況を把握できましたので患者さんにお答えできましたが、もし気が付かなかったらどうなっていたでしょうか?

おそらく前の基準で話していたと思いますので、間違った情報を伝えていた可能性が高いです。冷や汗が出そうですが、医療機関にも事前に直接連絡がないので、ある意味仕方がないのかもしれませんが・・・

 

「医療機関なんだから情報をしっかり確認しろ!」という意見もあるかと思いますが、コロナ対応で現在は休日もなく、仕事も夜遅くまで続くため、実際のところニュースを目にする機会も少ない状態です。昨日はたまたまニュースをみて知ることができましたが・・・

 

COVID-19も新たなフェーズに入り、今までとは違った基準、方針になるのは当然だと思いますが、今の政府のやり方は国民の不満やマスコミが取り上げたことのみ慌てて修正し、どこに向かっているのか医療関係者を含めた国民には全く伝わってきません。

 

とりあえず、説明しなければならない医療関係者が患者さんと同じルートでしか情報が入らない状態をどうにかしていただきたいです。

ゆっくりやれ、とは言いませんが、きちんとスムーズな流れを作って、それに沿って変更していただきたいと思います。

 

ほんと、岸田内閣、よろしくお願いしますよ。

 

今日も朝から、各所に連絡を取ったりして、余計な仕事が増えてしまっています。電話で話した保健所の方もてんてこ舞いで、連絡が遅くなっていることを謝罪されましたが、我々同様保健所も本当に困っています。

 

保健所・医療機関の逼迫を改善するためといい、次々と目先のちょっとしたことを変えていますが、やっと慣れたら次の変更、また次の変更と、違った意味で医療機関は混乱中です。

 

とりあえずミスなく、患者さんにも間違った情報が伝わらないように、できるだけ情報に耳を傾けていこうと思っています。

現在のCOVID-19についての私見

2022年8月30日

全国的に感染者が増加しておりましたが、最近になり数字上は減少傾向になっておりますが、はたしてそうなのでしょうか?

 

今現在起きている状態について私見を述べてみたいと思います。

あくまで私見ですので、これが真実かどうかは分かりません。参考程度に受け止めてもらえればと思います。

 

 

◎岩手県では本当に感染者が減っている?

先週の前半までは岩手県でも感染者数が増えていましたが、その後は減少傾向になっています。当クリニックでも陽性者数は明らかに減ってきています。

 

ただしこれは陽性率が下がっているわけではなく、診察に来る患者数が異常なほど急激に減少しているためであると思います。

毎日30-40人受診していた発熱や風邪様症状の患者さんが、ここ数日は10名前後、少ない日は一桁になっています。

 

どうして急激に減ったのか?と思ったのですが、これはある出来事を境に起きていることに気づきました。

 

「全数把握の見直し」の発表です。

 

岸田首相が発表した翌日から、パタッと検査に来る人が減っていますが、おそらく勘違いされている方が多いのではないかと思います。

 

重症者や高リスク者のみ届出をするというのは、高リスク者以外は検査をしないという事ではありません。

症状の強弱や、高リスクかどうかは関係なく感染が疑われる患者さんは検査し、今まで通り治療を行いますが、我々医療機関が保健所に届け出る作業(HER-SYS)が簡素化させるという事です。ですので、皆さんは特に変わることはないのですが、一部の方は「受診してはいけないと思っているのかもしれません。または「もう検査して陽性を確認する必要はなくなった」と勘違いしているのかもしれません。

 

ご存じのように、自宅療養で回復する方がほとんどだというのは事実です。ただしもっとも警戒するのは高齢者や基礎疾患のある方が重症化したり、中等症で療養していた方があっという間に状態が悪化し亡くなることだと思います。

 

我々、検査を請け負っている診療所レベルの医療機関では、患者が少なくなれば負担は軽くなるのですが、もし気がつかない間に感染者が爆発的に増加していた場合に、高リスク者たちが感染する機会は爆発的に増え、不幸な結果になる方が増えることが予想されます。入院や重症者を受け入れる医療機関はすぐに医療崩壊に陥るでしょう。

 

我々医療機関は以前と何も変わらず診療しておりますので、自分たちで自己判断せず、診察してほしい、検査をしてほしい、と思った方は遠慮しないで問い合わせてください。

 

 

◎政府の考えていることが、よく分かりません

「全数把握」に対して誤解しているのではないか?と書きましたが、どうして政府は国民に向けてこの発言をしたのか分かりません。

医療機関の負担を減らすことを考えるのなら我々医療機関に伝えれば良いはずで、大々的に発表する必要はなかったのではないかと感じます。その結果、誤解が生じている可能性もあります。

一度、HER-SYSの入力項目が少し減ったことがありましたが、その時は全く発表されなかったのに、今回はなぜ?って感じです。

政府?首相?の仕事をしていますアピールでしょうか?

何となく責任を国民に投げて自己判断させて、何となく収束させようとしているのでしょうか?

 

保健所や医療機関の負担軽減と言いますが、見えないところで感染者が増えれば、感染予防のために積極的に検査をしている医療機関や介護施設などのスタッフが陽性者となったり濃厚接触者となる確率は今とは比較にならないくらい増加するでしょう。そうなればスタッフ数が減り病床使用率が低くても運用できない状況が生まれます。

 

医療機関等では他の職場と異なりかなり厳しい制限を課し生活している方が多いと思います。それでも感染者が増えれば自宅待機になる確率は増し、医療崩壊の方へ向かってしまうでしょう。

 

「全数把握」を止め、本当の意味での「withコロナ」にするのであれば、自宅待機の制限や、濃厚接触者の考え方など、併せて考えないとさらに混乱する状況になるのではないかと感じています。

 

「全数把握の見直し」のような小手先の変更ではなく、根本的な感染症対策の変更を考えて欲しいと真に願っています。

未知のことなので正解はありません。ご機嫌取りではなく自分の信念を貫いてリーダーシップを発揮してください。

進むべき方向が間違っていても素直に認めて方向転換すれば私たちはついていきます。

 

支持率ばかり考えないで、本当に患者さんや我々医療関係者である国民のことを第一に考えて下さい。

 

 

◎ただの風邪、鼻かぜ程度と思っている方へ

風邪というのはウイルス性の上気道感染症ですので、ある意味、新型コロナウイルスも風邪の範疇に入ると思います。誇張する気はありませんが、どのような疾患でも甘く見ていると重症化したり亡くなることもありますので注意は必要です。

COVID-19では、厚労省からガイドラインが出ていますが、その中で軽症と言われているものを挙げてみます。

 

☑ 呼吸器症状なし or 咳のみで呼吸困難なし

☑ 肺炎所見を認めない

☑ 酸素飽和度が96%以上

 

となっています。

これは、以前の株では呼吸不全で亡くなることが多かったため、呼吸器症状を中心に分類されています。

 

ですので、「喉が痛すぎて飲食するのも嫌だ、どうにかしてくれ」であるとか、「咳が全く止まらない、夜も咳き込んで寝られない」「熱が下がらなくて心配・・・」といった電話問い合わせが連日きますが、いずれも軽症となります。

呼吸困難がなければ、これらは軽症の範疇に入ってしまいますので、そう伝えると、「全然軽症じゃない・・・」と驚かれます。

 

罹らないことに越したことはないです。感染を広げないために、また苦しい思いをしないように、初めから言われ続けている最低限の感染対策を守る努力を宜しくお願いします。

開院1周年を迎えました

2022年7月19日

本日、開院してちょうど1年になります。

 

たくさんの患者さんに来ていただき、無事にこの日を迎えることができました。

本当にありがとうございました。

 

これからも初心を忘れず、患者さんに寄り添った医療を続けていけるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

ちょっとしたことでも身体に関する不安がある方はお気軽にお越しください。

 

新型コロナウイルス感染症も増加してきています。
症状で心配な方は発熱外来も行っておりますので、電話で確認の上、診察にお越しください。

甲状腺学会認定専門医証が届きました

2022年7月2日

以前にもこのブログで報告しましたが、甲状腺学会認定専門医証が学会より送付されてきました。

特に専門医になったからといって今までと異なった診察をしたり、異なった判断をする訳ではありません。

ですので、「今までの診療は大丈夫だったの?」と心配する必要ももちろんありません。

(基本的な私の考えは以前のブログを参考にしてくださいhttp://kotani-cl.com/2022/01/)

 

専門医を取得したり更新するには、定期的な専門医教育を受講しなければならず、

毎年学会には参加しなければなりませんので、1年に1回、秋に開催される甲状腺学会前後は休診にせざるを得ません。

 

皆さまにはご迷惑をおかけしますが、皆さまにより良い医療を提供するためにしっかりと学んでまいりますのでご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

ちなみに今年の学会は11月初旬に予定されています。

詳しい日程が出ましたら、検討し休診日を院内掲示とホームページのお知らせでお伝えいたしますので、ご確認をよろしくお願いいたします。

 

 

少し時間が空きましたが、またまた塗り絵が完成しました。

今度は風景画にしてみましたがどうでしょうか?

また院内のどこかに掲示しておきますので、探してみてください。

 

 

今年は全国的に6月から暑い日が続いています。

体調を崩さないように、また熱中症には気を付けてお過ごしください。

 

健診の時期になりました

2022年4月8日

気温もだんだん高くなってきて、すっかり春の陽気になってきています。

コロナ渦もあり家に閉じこもっていた影響もあり、生活習慣病といわれている高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの予備軍が増えているような気がします。

 

内科外来をやっていて感じるのは、

『健診で指摘されていたけど、症状もないし特に病院には行かなかった』

『どこも痛くないし、治療の必要なんていらないんじゃない?』

という考えをもっている人が意外に多いことです。

 

なぜ健診が必要なんでしょうか? 改善しないとどうなるんでしょう?

このあたりのことを今回は書いてみたいと思います。

 

① どうして健診が必要なの?

高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、軽度の場合は特に症状を感じることはありませんので、その時点で生活に不自由をきたすことはありません。

しかし、この状態が続くと動脈硬化などを引き起こしてしまいます。

 

【高血圧症】 高血圧が続くと血管が硬く、もろくなる動脈硬化が起こります。その結果、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高まります。

【脂質異常症】 LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えると、やはり血管が傷つき動脈硬化を起こします。また中性脂肪が高くなると急性膵炎や脂肪肝を起こしやすくなります。

【糖尿病】 糖尿病も初期には症状がなく進行していきます。糖尿病で怖いのは合併症です。目や腎臓、神経に障害が起こり失明や人工透析、足に壊疽(足が腐ってしまうこと)ができて切断となることもあります。もちろん動脈硬化の原因にもなります。

 

そのため、様々な病気が発症するのを予防したり、病気が進行するのを防いだりして生活の質(Quality of Life)を落とさないようにする必要があります。

 

未然に対処するために健診を受けて

早期発見・早期治療が必要になります

 

 

②  生活習慣病から起こる病気は放置するとどうなるの?

上で挙げた病気について説明してみたいと思います。

 

  • 脳出血:脳の動脈が破れて脳の中に出血し、その血の塊が脳の細胞を圧迫するため頭痛や手足の麻痺、言語障害や意識障害などを起こします。
  • 脳梗塞:脳の血管が詰まるため血液が閉ざされ脳に酸素や栄養が行き渡らなくなり、その結果脳の細胞が死んでしまいます。手足や顔のしびれ、動かしにくさ、歩きにくくなったり喋りがおかしくなったりします。治療が遅れると麻痺や言語障害が残ってしまいます。
  • 心筋梗塞:心臓に酸素と栄養を送る冠動脈が閉塞し、心臓の筋肉が死んでしまう病気です。胸の痛みや呼吸困難、意識障害を起こしたり、治療が遅ければ死亡することもあります。
  • 急性膵炎:膵臓に炎症が起こり膵臓の中にある消化酵素によって膵臓自体が自分で自分を消化してしまうことにより起こる病気で、上腹部痛や吐き気、嘔吐などを認めます。重症例では命に危険が及ぶことがあります。アルコールが原因になることが多いですが、中性脂肪が高い人はリスクが高くなります。
  • 脂肪肝:肝臓に脂肪がたまった状態で放置すると肝炎へ進行してしまいます。メタボリックシンドロームに合併しやすく、過食と多量飲酒が原因となることが多いです。肝硬変や肝癌につながる場合もあり注意が必要です。
  • 糖尿病網膜症:糖尿病が原因で起こる網膜の障害です。網膜は光の情報を脳に送る重要な臓器ですので、ここが障害されると最悪の場合、失明してしまいます。
  • 糖尿病腎症:糖尿病が原因で起こる腎臓の障害です。腎臓の機能が悪化すると人工透析が必要となります。透析患者の原因で一番多いのが糖尿病腎症です。
  • 糖尿病神経症:血糖が高いことにより神経細胞が傷ついたり動脈硬化によって神経細胞に血液がいかなくなり神経が障害される病気です。下肢の切断が必要になることもあります。

 

実際に書いてみるとやはり怖いです。もちろん後遺症で生活にも不自由になり、家族にも迷惑をかけることもあると思われます。

特に脳の病気、心臓の病気、急性膵炎などは命にかかわることもあります。

 

自分のため、面倒を見てもらう可能性のある家族のため、病気を未然に防ぎ、また進行を止めるためにも積極的に健診を受けましょう

 

 

新しい絵が完成しました。

今までで一番よく描けていますので待合室に飾る予定です。

近くから見ると残念な感じになってしまいますので、遠くからちらっとみてくださいね。

最近の投稿
アーカイブ


上に
戻る